2011/03/27

2011春18きっぷの旅 房総半島編

東京から近く、18きっぷを利用して訪れる事が滅多にない千葉県。

今回はそんな千葉県の房総半島を日帰りでまわる。

朝一で総武線で千葉駅へ向かい、駅構内でそばを食べてエネルギーチャージ。

千葉駅からは、内陸を横断して房総半島に向かう外房線を利用して一気に南下。

海岸線ギリギリを走る訳でも無いので、車窓からは太平洋も見えず、房総半島独特な低い山々の景色が広がる。

約1時間半で到着したのは御宿駅。

隣の勝浦駅で食したい「勝浦タンタンメン」の店が開店するのが11時であるため、その開店時間まで御宿を散策する。





この御宿の街は童謡「月の沙漠」が作られた街。との事ではあるが、実はその童謡を全く知らない。

YouTubeで聴いてもピンと来ない。

それでも白い砂浜の海岸もキレイで有名とのことなので、駅から歩き、月の沙漠記念像がある海岸へ向かってみる。

街は古くからある海辺のリゾートといった雰囲気で、少し枯れ気味のヤシの木と大型ホテルが並び、

それらを見上げながら裏路地を抜けると青い空と海、そして白い砂浜が見えて来た。

思っていた以上にキレイな砂浜は鳥取砂丘の様に砂紋も広がり、今まで見て来た海岸とは明らかに異質な景色。

そんな砂浜の一角にあるのが月の沙漠記念像。ラクダに乗った2人がどこか寂しそうではあるが。

海では何人かのサーファーが波待ちをしていたが、日差しが出ているとはいえ、風も冷たく水温も低そう。

これがまた夏の海水浴シーズンになると大混雑になるんだろうか?






波の音と白い砂浜の景色を堪能したら隣の勝浦へ。

丁度いい具合に時間も調整出来、駅から歩いて数分のところにある「ひさご食堂」へタンタンメンを食べに向かう。

勝浦のタンタンメンは、一般的な担々麺の様な芝麻醤のゴマ風味は一切無く、豆板醤とラー油で辛味を付けたものになる。

そのスタイルで何十年と勝浦周辺では食べられて来ていて、ここ最近ではカップ麺やコンビニなどで商品化され、

徐々にその知名度も上げて来ている。

11時もちょっとまわっているので、早速店内へ。

客は疎か店の人すらいない店内。「すいませーん」と声を上げてみると奥からおばちゃん登場。

タンタンメンを注文すると「今ガス付けるから待ってね」と、再利用したペットボトルに入れた水を出してくれた。

そんなおばちゃんと勝浦のタンタンメンについての会話を楽しんでいると、厨房着を来たおじさんが奥から登場。

しかし調理しているのは普段着のおばちゃんで、その寡黙でちょっと強面のご主人はTVをNHKに変えてじっとしてる。

そんなご主人が「お客さん寒いだろ」と一言声を掛け暖房を入れてくれた。どうやら腰が悪いみたい?

そうこうしている内に野菜たっぷりのタンタンメンが完成。

結構辛さが半端無く、スープを飲むと咽せる事が多いのが一般的との事前情報を仕入れていたため、慎重に一口目を口に。

ん?辛味は感じるもそれ程でもない。

店のおばちゃん曰く、他店のは辛過ぎ。うちは野菜もたっぷりだから、玉ねぎの甘みもあるわよ。と。

食べ進めていると徐々に汗がにじみ出て来る辛さで、冬の寒い時期にも美味しいが、夏の暑い日も良さそうかもしれない。




お店の2人から、美味しかったら目一杯宣伝してくれと頼まれながらお店をあとにし、駅前を少し散策した後

更に南の安房鴨川駅まで行き、そこから内房線に乗り換えてグルッと浜金谷駅を目指す。

が、事前に調べていた時刻の列車案内が電光掲示板に表示されていない。

確認してみると計画停電の影響でその列車は本日運休とのこと。しかも次の列車まで1時間以上も待ち。

勝浦駅周辺を既に歩き回っていることもあり、このまま勝浦で1時間以上時間を消化するには余りに難しい気がしたので

数十分後に来る外房線で、一旦千葉まで戻ることにした。

そこから更に内房線で、目指す浜金谷へとやって来た。時間的には勝浦で待っているより多少早いくらいだった。





浜金谷の駅に降り立つと、圧倒的スケールと威圧感で迎えてくれるのが鋸山。

そんな鋸山へロープウェイで今回は登る。

良質な石が採れるという事で、昔は採石場でもあったことから、垂直に切り立った崖の様な山肌になっている。

そんな山肌を一気に駆け上がるロープウェイに乗り山頂へ。

丁度夕日になりかけている太陽がある西は、東京湾と神奈川県の三浦半島を望み、

東は房総半島の小さな山々を望める、非常に眺めと景色が良い場所。

特にこの時間帯、相模湾の方に向かって沈む夕日の眺めは格別。本当に天気がよくて良かった。





そんな鋸山山頂からの景色もいいが、この鋸山には2ヵ所有名な観光スポットがある。

1つは日本一大きな石仏の日本寺大仏、それともう1つが迫り出した足場に立つことができる地獄覗き。

今回はそんなスポットの地獄覗きを目指す。

ロープウェイ山頂から、足場の悪い斜面をまずは下る。下った先にある日本寺の事務所で拝観料をお支払い。

そこからは一気に上に伸びる階段で、もの凄い傾斜を上がって行く。

息はあがり、汗が吹き出しそうなくらいの勾配を駆け上がりながら十数分。目的の地獄覗きに到着。

直角の山肌からちょこんと飛び出した足場。下には緑の木々が並ぶも、その小ささから非常に高さがある事が伺える。

手前から地獄覗きを見ている分には、特に恐怖心はやって来ないが、

実際に地獄覗きの上に立って下を覗くと、もう完全に足がプルプルと震える始末。いられても数十秒が限界だった。

地獄はまだまだ覗けない様です。






再度ロープウェイを利用して下山し、徒歩10分程の所にあるフェリーターミナルから、久里浜行きの東京湾フェリーに乗船。

社会実験中のアクアラインに人をとられている様ではあるものの、まだまだ東京湾フェリーは健在。

片道700円、往復1,280円で、両ターミナル共に駅からそんなに離れていないので、列車移動の自分にとっては非常に助かる。

そんなフェリーに乗船後、甲板から沈む夕日と、船の航跡をいつまでも眺め、40分程で神奈川の久里浜港に到着。





久里浜港から連絡バスに乗車して京急久里浜駅へ。

こちらも何かと来る機会が少ない三浦半島。せっかくなので、少し北上して横須賀の街に出る。

横須賀と言えば「アメリカ海軍基地」「自衛隊基地」に「海軍カレー」と「ネイビーバーガー」のご当地グルメ。

今回はその中で、アメリカ海軍レシピのネイビーバーガーを選択。

横須賀中央駅から戦艦三笠が鎮座する三笠公園経由で、目的のネイビーバーガーの店を目指すが、

三笠公園は16時でとっくに閉園。仕方なく暗闇に浮かぶ東郷平八郎の銅像と三笠を金網越しに見学。

気を取り直して、ネイビーバーガーのお店「ハニービー」へ。

やはりベースの入口前ということもあるのか、店内にいるお客はほぼ外国人。

バーガーと共に瓶のバドワイザーを注文。

ハンバーガーを始め、全てが手作りということもあり、焼いたバンズが香ばしく、シャキシャキレタスと肉の愛称も抜群。

どぶ板通り沿いにも数店ハンバーガー屋がある様なので、それぞれの店の味を比べてみるのも楽しいかも。しかも支払いはドルで。




千葉県はご当地グルメの数も少なく、食に関してはそれ程魅力的では無かったものの、

景色については今回訪れた所全てが絶景だった。

18きっぷを使用しなくても、ホリデーパスで久里浜まで来てフェリーに乗船するコースは、いつか近い内に計画を立てたいところ。

2011/03/26

苺と風と飛行機。

久しぶりの車運転。

ネット上では全て「空き無し」となっていたが、

近所のトヨタレンタカーに電話してみるとお目当てのヴィッツに空きがあるとのことで早速予約。

ETCカードを刺し、首都高経由で東関東自動車道へ。

目指すは千葉県の北東部にある東庄町。

東庄町にある「高橋農園」は、過去何度か足を運んだ事のあるいちご農園。

この高橋農園を含み、東庄町では高級品種でもある大粒の「アイベリー」という品種を栽培するいちご農家が多い。

30分食べ放題で1,500円。

小さなパックに練乳も一緒に渡されるが、大粒のアイベリーは甘さも十分。

それでもお腹の具合や、ハウス内の温度にもよるのかもしれないが、食べられてもせいぜい20個前後。





銚子をかすめ、千葉東金道路から千葉県を横断する形で館山自動車道へ。

木更津JCTから分岐するのは東京湾アクアライン。目指すはアクアライン中央にある海ほたるPA。

さすがに3,000円では渡る気が起きないが、現在、社会実験としてETC割引で通行料が800円。そんな訳で今回が初アクアライン。

今日一日朝から風が強く、高速でも時寄り押し寄せる横風に何度かハンドルを取られたりもしたが、

海ほたるでの強風はそれどころではない程の風。吹き荒れる風を体正面で受けると、目も開けられず息も出来ない。

遠くに見える建設中のスカイツリー、東京ゲートブリッジを眺め、早々と海ほたる屋内の店舗に避難。

割引で安くなってるとは言え、東名高速などと比べれば圧倒的に交通量、利用客が少ないこともあり、

店舗の数が一般的なSAより多少充実している、といった印象の海ほたる。景色に至っては最高なんだけど。もう少し風が弱ければ。





アクアラインから東京側のトンネルを抜けるとそこは羽田空港。

国際線ターミナルの駐車場に車を停めて遅めのランチ。

EDO MARKET PLACE内を何度も行き来し、選んだのは「百膳」という店。

小鉢が多く、味とボリューム感には非常に満足したものの、CPがちょっと悪い。空港内価格と考えても。

その後いつもの様に展望デッキで飛行機の離発着を眺め、無料シャトルバスで国内第2ターミナルへも移動。

ターミナル内も店舗が集中してある訳でも無いので、事前にどこに何があるのかを把握していないと、

敷地面積が大きいだけに、移動だけでも大変疲れそう。

羽田空港からは買い物の為にと豊洲へ寄ることにしたが、首都高湾岸線を使うとこれがまた驚きの15分で到着。

車に乗るのを控えている人が多くて渋滞が少ないのか、とにかく今回は全く渋滞というものにはまる事無く快適に運転出来た。

それでも200kmオーバーの高速運転はカラダに堪えたが。世の中のドライバーさんお疲れさまです。










2011/03/21

2011春18きっぷの旅 信州編その2

奈良井宿の風景、続きから。

街の外れにある神社まで行くと、近くにSLの姿が。

駐車場の横に静態保存されている蒸気機関車はC12。横に設置された説明によると、埼玉で製造され山形機関区で終戦を迎え

その後飯山機関区を経て木曽福島機関区で貨物輸送で活躍した後、村に貸与されたとのこと。

それにしても静態保存されて結構年数経っているのにも関わらず、非常に綺麗な状態で保存されているのには驚く。






ちょっと小腹が空いたので開店準備をしていた「茶房こでまり」というお店で五平餅を頂こうかと思ったが、

生憎店主の女将さんが先日まで体調を崩していたという事で、近所の「越後屋」を紹介してくれた。

越後屋さんにお邪魔すると店内は古民家そのもので、囲炉裏や和ダンスに囲まれた中にテーブルと椅子が置かれている。

五平餅を注文して5分程、胡桃味噌とヨモギ味噌(?)が塗られた3つの五平餅と、野沢菜漬けが運ばれて来た。

「餅」というからには、もっとモチモチとした食感をイメージしていたものの、ほぼご飯を固めて焼いた焼きおにぎりに近い食感。

胡桃の香りが広がるものの、上にかかるタレが少なめな事もあり、そこまで甘さも無く、野沢菜漬けと一緒に食べると合う味。

ヨモギの方は非常に食べるのに苦労というか、あの独特な草の香りが強過ぎて、もう。。。

ちなみに一般的な五平餅は小判型の様な形で串に刺さっているが、こちら奈良井では丸形が昔からの形とのこと。




観光協会からの情報によると観光案内を1グループ1500円で行っているとのことなので、次回訪れた際は是非頼みたいところ。

そんな奈良井の良さを存分に味わったら、中央本線を更に進み塩尻へ。塩尻から岡谷へ行き、飯田線で伊那市へと向かう。

ちなみに奈良井の南、藪原から中央アルプスを抜ける形で伊那市へ向かう国道、権兵衛峠道路が最近開通し、

伊那市へ向かうバスも運行されたが、数年で廃止されたらしい。移動時間的には圧倒的に短そうではあるのに勿体ない。




お昼をちょっと回った13時過ぎに伊那市駅に到着。

今回の旅で、見に来たかったのは奈良井で、食べに来たかったここ伊那市。

伊那市と言えば馬刺やおたぐりなどの馬肉料理とローメンが有名な街。今回はそんな有名なローメンを食べに来た。

ローメンと言ってもスープに入ったラーメン風(スープ風)と、炒めた状態の焼きそば風とで2種類存在し、

あわよくば、どちらのローメンも食してみようと思っていたものの、焼きそば風のローメンを出す有名店「うしお」の

ランチ営業は13時まで。結局今回はラーメン風の有名店「萬里」に伺った。

駅から5分程歩いた先にある店舗は、一瞬通り過ぎてしまう様な薄暗い飲屋街の一角にある。

こちらのお店もランチ営業は13時半ラストオーダーとのことではあったものの、さすがに人気店ともあり続々人が出入りする。

急ぎ店内に入り、ローメン普通盛り(680円)を注文。

ローメンはテーブルクッキングを楽しむものでもあり、ソースと酢をひと回し、

更にごま油、七味、おろしニンニクなどを、自分の好みに合わせて追加調整する。

早速指示された通り、具合を見ながら味を調節して食べてみる。何とも不思議で初めて味わう味。

そもそも麺が蒸し麺ではあるものの、ラーメンの麺とも焼きそばの麺とも違い、いい具合に弾力があり新食感。

スープもあっさりとした中にもコクがあり、ソースが程よく絡み、尚かつニンニクの旨味も絶妙で、初めてにしてクッキングに成功!

マトンの臭みも全く無く、キャベツの甘みも相まって、一口目は新食感でも、徐々にクセになりそうな味になって来る。

そんなローメンを一気に完食。大盛りにしても十分問題無さそうでもあったが、この後もう1件行く予定だったので腹五分目でストップ。




伊那市の隣、駒ヶ根市で有名なソースカツ丼。こちら伊那市でも実は有名なご当地グルメ。

両市共、特徴は千切りキャベツの上に乗せられた、その肉の厚さ。

向かうは伊那市駅の隣、伊那北駅より更に北にある「たけだ」。しかもランチ営業が14時までとのことなので、急ぎ足で店を探す。

半ば諦めながら店に到着したのは14:03。既に片付けを始めていたが、何とか食べさせて頂けるとのことでソースカツ丼を注文。

肉の厚さもあり、揚げるのにかなり時間を要したが、出て来たカツ丼は見事なド迫力。

ここまで厚くてもそれ程固くも無いので、さすが肉屋が経営するお店。



1時間の内にローメンとソースカツ丼の2食を食べるという暴挙で、お腹もパンパン。

食後の運動として、のんびり歩きながら伊那市の街をちょっと散策。

「いなご」「ざざむし」「はちのこ」と、ちょっと嫌煙したい虫たちの名前が並んだ店を横目に、スーパーで品不足の状況を確認。

牛乳は地元産が充実し、納豆は関東に近い感じで、置いてあるのは数個程度。

物流が回復したとしても、製造工場がモロに被害を受けていそうで、暫くこの状況が続く感じだろうか。



伊那市を離れ、向かうは山梨県の甲府。

最近メキメキとその名前が全国に知れ渡る様になって来た「鳥もつ煮」。

昔からあったのは知っていたが、実は味わった事が全く無かったので、今回は駅前に新装オープンしたばかりの「奥藤」へ食べに行く。

甲府のそば屋には基本的にある鳥もつ煮、こちらの奥藤さんももちろんそば屋なので、そばと鳥もつ煮のセットを注文。

あれだけさっき食べて来たのに更にセットとは、さすがに食べ過ぎな感じが強いが。

コッテリ濃厚なタレに絡まれたモツは、コリコリした砂肝やネットリしたレバーなど様々な食感が楽しめ、タレの味も思った以上に旨い。




桃と葡萄なんだろうけど、夜見ると血塗られた何かにしか見えない。



気になったのは「祝合格」の横に描かれたキャラクターでもなく、青い車体でもなく、富士吉田駅が「富士山駅」に改名されるってところ。



大月駅で普段より大きく明るく見られるという「スーパームーン」を雲の隙間から眺めながら、東京へ。

今回行く先々で見かけた、信州デスティネーションキャンペーンキャラクターの「アルクマ」。

愛らしいコイツと見てまわって信州、思っていた以上に見所、食べ所が多く、1日では全く時間が足らない程。

次回はもう少し下調べをして、長野市周辺も含めてまわりたい。「やっぱ信州だね!」とアルクマは呟いた。