2011/09/25

「こんにちは」の国。

高尾山登山で登山にやや目覚めかけた中、次にチョイスしたのが神奈川県伊勢原市にある「大山」。

関東近郊で、駅から遠く無く、初心者向き。更に登山道横にはケーブルカーが走り、いつでも脱出可能であるという理由から。

今回は流石に観光地という訳でも無いので、地図無しはいかんだろうと、等高線が入ったそれらしい地図をプリントアウト。

ペラッペラのA4地図1枚という、若干ふざけた登山装備でいざ大山へ。

避難用のケーブルカーは下山用とし、登りは秦野駅から蓑毛までバスで行き、ヤビツ峠経由で大山山頂を目指すルート。

バスには登山軽装備な年配グループ数組と、大学サークルの様な男女混合グループとで、単独は自分のみ。

数日前に上陸した台風の影響だろうか、足下には木々の枝が無数に落ち、大小の岩が転がり、更には大木が道を塞ぎ

なかなかスリリングな登山道で、独りずんずんと進む姿はどこか探検家の様で、道が荒れれば荒れる程萌えた。









ヤビツ峠からは登山道の難易度は下がり、尾根伝いに歩いていると所々で景色が開ける。

天気が良いと富士山が見られるらしいが、前回の高尾山同様その姿は拝めず。

階段、岩場、鎖と、何度かのアップダウンを繰り返し進んで行くと、そこはちょっと開けた大山頂上。

散々吹き出して、タオルをグッショリにして来た汗も、山頂でコンビニおにぎりを食べているだけで一気に冷え、

急いで腰に巻きっぱなしだった上着を装着。高々1200m程度の山であれ、山頂の気温は意外と低かったのかもしれないが

おにぎりの冷たさと、単独登山の侘しさとで寒さの相乗効果が生まれたに違いない。







豚汁で体を温め下山開始。

ルートとしてはメインとなるであろう登山道は完全なる岩場。

場所によって段差も違ければ、石の配置もバラバラなので、傾斜のある道を進むより遥かに歩きにくく

足を置く石の選択によっては、滑る、崩れることもあり、膝への負担がより一層激しさ増す。

そんな訳で、山の中腹にあるケーブルカー駅が見えた途端、逃げ込む様に片道切符を購入し、前面展望を堪能しつつ見事下山した。








山登りに関しては、いくつかルールがあるのだろうけど、その中でも誰しもが無意識に行う行動が、挨拶の「こんにちは」。

普段道端で他人とすれ違う際に、挨拶を交わす人もいるかもしれないが、山の中というのは、ほぼ全員がこれを行う。

明確に「登山道」インしたらそのルールが適用されるのか不確かではあるものの、

まさに老若男女、外国人までも「KONNICHIWA」とすれ違う度に発せられる。

人が少ない山深い登山道であれば、お疲れさまの意味合いも込めて挨拶してもいいのだろうけど、

次から次へと人が上り下りしている初心者向き登山道では、もう念仏の様に「コンニチハ」「コンニチハ」と、

この山、もしくはこの国では「こんにちは」という言葉しか通用しないのでは?と思える程、この言葉が絶え間なくこだまする。

実際問題全く苦でもなく、むしろ積極的に声を出し、挨拶が返って来るか来ないかゲームを独り楽しむので、

このルールはいつまでも続く事を願う。

2011/09/19

発作的な行動の先には。

その発作はほぼ前日にやって来る。

家でダラダラと「寝る」「食べる」だけの繰り返しは苦痛でしかなく、仕事や調べもの、読書など、やりたい事は多々あれど

それらに一切手を付けたく無い日などは、拷問でしかない。特に天気が良い日には。

要はめんどくさがり屋で落ち着きが無く飽きっぽい、非常に対処に困る酷い幼児の様な31歳児なのだ。

で、あるにも拘らず、「旅」「食」「動」に関しては、どういう訳か積極的に尚かつ継続的に、取り入れたいコンテンツで

それが時には発作的な行動に現れてしまう事もしばしば。

しかしそんな発作も、当日行き当たりばったりで発症してしまうことはほぼ無く、買い物か散歩か、

とりあえず目的も無く外に出て、満足したら帰るということをしてみても、

意外とこれと言った記憶に残るものが少なく、若干時間を無駄に浪費した感覚に襲われる。

その点、前日にやって来る発作は、「明日は晴れ」「今夏最後の海」「東へはまだ自転車で向かってない」

「歌の歌詞に出て来る九十九里浜はどうだ?」「距離は今までで最長」と、一応順序建ててキーワードが浮かび、

それのおかげで目標と達成させるミッションが明確となって、より一層ワクワクドキドキ感の楽しさが倍増される。

そんな発作は思えば昔から患っていた様で、中学生の頃、隣県でもある群馬の従姉妹家族宅へ、突然自転車で訪れてみたり、

昔は大都会に見えた大宮駅目指して、国道17号をひたすら自転車で走ってみたり、

ネットで購入した折りたたみ自転車の配送先を会社にし、自宅まで乗って帰ろうとしたら、ボルトの締めが緩く途中でハンドルが外れ

乗り馴れない前傾姿勢と、景気付けで直前に食べたカレーバイキングが思いの外苦しくリバースしてみたりと、

発作の事を思い返すと、チラチラと残念な記憶もそれに付随して思い返され、ちょっぴりブルー。

もちろん自転車だけではなく、徒歩でも羽田に行ったり千葉に行ったり、うん十キロ何のその。

まぁ旅好きの延長線上では少々話が通らない節々もあったりするかもだけど、

思考回路に変な形で「楽しい」チップが取り付けられているという解釈で片付けてしまっていいかもしれない。

結局そんな発作的な行動をとって、目的地に付く達成感、更にその先の楽しさと感動は得るものの、

更にその先、走り過ぎた歩き過ぎた為にやって来る疲労と、体に対する強いダメージと苦痛。

それが幾重にも増してやって来るので、色々とその場では後悔はするものの、

次に発作がやって来る頃には、そんな事はパッと頭から消え去り、また同じ事を繰り返す羽目になる。

本当に能天気バラ色な思考回路だと自負している。


2011/09/18

車道と歩道の狭間で。千葉編。

自転車専用道、歩道が自転車道を兼ねているのでココを走れ、と言われない限りは、

基本、車道の脇、所謂「路肩」を自転車では走る。

都内では、この路肩に駐停車する作業車などが非常に多い事もあってか、かなり余裕を持って整備されているので、

自転車乗りにとっては、そんな作業車前後に注意していれば快適に走る事が可能で、結構ありがたかったりする。

地方はどうか?と。国道、主要な県道もしくは市道など。

とにかくもう「罠」としか思えぬ体験ばかりする羽目になるので、もう驚きはしないし、ため息まじりの声を出さないと決めた。

片側1車線もしくは複数車線であろうと、車道の間隔が広く取られ、路肩のラインが歩道より1m近く余裕がある

そんな道は主要国道のごく一部にしか無い訳で、基本は路肩のラインは車幅ギリギリ。

バスやトラックはラインを踏んで走行というのが大半。

それでも、狭さは車側の配慮を最大限にお願いしながら走行するとして、それ以外の部分で気を付ける罠といえば、

ゴミ、砂利、砕かれたガラス、舗装状況の悪化による穴、たわみ、崩壊、夏の時期は特に危険な植物達の侵食、動物の屍骸などなど、

挙げたらキリが無さそうでキリがある罠の数々。突然迫り出す様に設置されたポールや電柱なんかもあったか。

車道の交通量が多く、歩道に人が歩いていない箇所など、申し訳ない感じで歩道を走らさせて頂くが、

そんな歩道も地方に行くと驚きの光景が広がることも。

一般的歩道は車道より1段高く、車を寄せ付けないという意味合いでそうなっているのか不思議ではあるものの、

車が出入りする箇所は車道に合わせて下がる。店舗が並ぶ箇所はこの繰り返しで上下にウネウネ。

そしてその歩道の高さも時には異様に高くなっていたりし、自転車が天高くダイブする事もある。

そんな歩道もあったかと思えば、路肩が白いラインだけになり、数m先には数mだけの歩道が突如現れ、

更にその先は草が車道をかすめるまで生い茂げ、ラインが見えないかと思えば、急に真新しい歩道が数十メートル発生するという

誰の為にどの様な理由で作られているのか不思議でならない歩道が現れる事もあれば、

歩道の先は草木が生い茂るあぜ道、砂利が敷き詰められた駐車場、といった変わり種も用意して来る。

ただでさえ普通のママチャリよりパンクし易い細めのタイヤでもあるので、走行中はほぼ目の前の真下が目線。

砂利を避け、排水溝の溝を避け、開いた穴に軽く落ち、逃げる思いで向かった歩道には無数のガラス片。

とにかく長距離を走った自分の体を労る前に、あれだけの悪路を走ってもパンクして来なかったタイヤにまずは賞賛を与えたい。

ちなみに今回は千葉県の九十九里浜まで行って来た。走行距離は今までで最長の180km。

休憩が少な過ぎた影響もあり、そんな賞賛を与えた自転車には暫く乗りたく無いと思う程疲れ果てた。そしてお尻が痛い。












2011/09/16

ビール好きだけが集まるかと思いきや。

ビール!ビール!ビール!

ここ最近は本当にビールづいている。

日本の「喉ごし」なピルスナースタイルのビールも嫌いでは無いものの、そんな「ぷはーっ!!」な勢いは最初の1杯だけで十分。

どちらかと言うと、香りと味をじっくりと楽しみたい。

そんな時に出会った、各地の地ビールとドイツ・ベルギーを始めとした海外のビール。

フルーティな香り、コク、苦み、色など、「こんな世界があったのか」と今更ながらに気づいた、奥深いビールの世界。

そんな未知なる大地発見のキッカケともなった、日本地ビール協会が開催している「ビアフェス」。

更なる大陸(ビールの奥深い世界)を目指す冒険家コロンブスになったつもりで、

港町横浜で行われるビアフェスの、会場設営ボランティアとして、朝早くにみなとみらいへと向かった。

会場となる大さん橋ホールには、既にボランティアな人30人程と、実行委員な人が勢揃いで、

20代の学生から、40代もしくはそれ以上な方々まで、男女共に年齢層が幅広い。

男手は荷物やビール運びから机設置を中心に、女手は会場周りの装飾物制作を中心に、与えられた仕事をテキパキと非常に効率良く動き

何も無い板張りのホールが、みるみるイベント会場らしい様になって行くのには驚いた。

ちなみに、作業中お互いの名前が確認出来る様、ガムテにマジックで名前を書き入れ、それを体に直接貼る形をとっていたのだが、

とにかく覚え易く、一般的な名前はこんな時便利。

ご多分に漏れず、自分もそんな名前であるからにして、作業中の駄話や終了後の打ち上げ時でも、何かと覚えられていた。

設営も完了し、会場内で軽く地ビールを振る舞っての打ち上げ。

その後、港の見える丘公園にある「ローズテラス」に場所を移しての、本格的な打ち上げ。

更には実行委員スタッフが経営しているバーに移動しての2次会と、とにかくビール好きが集まってるだけあり

飲むは飲むはで、翌日からがビアフェス本番というのを忘れてしまいそうな程、酔いの勢いももの凄い。

アルコールは全く飲めないけど、時間を持て余していたので来た学生。

卒業論文に地ビールを取り上げたい為に来た大学生。

東北ボランティアも含め、とにかくボランティアと名の付くものに参加している若い女性。

トライアスロンにも挑戦し、ビール飲むためにマラソンしている中年の女性。

野毛が大好きで、山の上に住宅を購入し、夜な夜な野毛に通う男性。

見た目通り「鉄」な中年男性は、鉄道とブルワリーを紹介するCS番組に出演し、その映像をDVDで配ったりと

とにかく、普段の生活では絶対に絡んで行きそうも無い人々、見ず知らずの人々と、こうも楽しく飲めるという場は

もの凄く貴重で、何かしら自分自身の糧にはなるんではなかろうかと、短い時間ではあるけれども、そう思う。

あ、印象的だったのは、トライアスロン女性が20代男子に「こんな女にだらしない息子はいらねー!」と叫んでいた光景。

何があったんだろか?


2011/09/11

とにかくずんずん歩く。

「山に登る」と言えばケーブルカーもしくはロープウェイを使って上る、もしくは車で上がる、というイメージしか全く無かった。

それは自分の足で歩いて登るには体力が無く、その体力疲労は駅の階段上り下りで何となく分かっていたから。

体が大きいので「力」そのものは人一倍あり、そんな大きな体を支えながら動く体力もそこそこある。

しかしそれを持続させる持久力が無い。昔から。

そんな訳で歩き登山は、非常に敬遠されがちな部類に属していたものの、ここ最近のウォーキング(深夜行軍とも言う)の影響からか、

その成果を測る上でも、登山に非常に興味を抱き始める様になって来た。

登山と言ってパッと思い浮かべるのは、やはりミシュランでも星を獲得する程大人気な「高尾山」と「富士山」。

余りにも両極端ではあり、さすがににわか登山者がいきなり無装備で富士登山が可能な程、

富士山は甘っちょろい訳も無く、今回選択したのは高尾山。

若干「登山」のイメージより「ハイキング」「デート」のイメージが強いものの、初登山にしては駅近で交通の便も良く、

多くのお仲間もいて、登山に対する格好や心構えも含め「いろは」の「い」が分かるんじゃないかと踏んでいた。

新宿から京王線で高尾山口駅へ。370円。

駅を降りるとデンっと大きな案内図。高尾山山頂までのコースが記載されていて、

それぞれ1〜6号路、それに稲荷山コースの計7コースあり、ケーブルカーorリフトを使わず下から登って行くには、

1号路と6号路、稲荷山の3コースがあるらしい事が判明。

その中でも初心者向きというのが1号路とのことなので、導かれる様に、早速巨大案内図に書かれていた、1号路登山道入口へと向かう。

舗装された道は普段歩き慣れた道と同じ感覚で登れ、意気揚々と木々が生い茂る涼しい空間を堪能していたものの、

徐々に勾配が厳しくなり、普段の生活ではお目にかかれない様な、そそり立つ壁の如くな感じの上り坂に変貌。

みるみる汗が溢れ、腕から滴り落ちる様になって来た。

それでも高尾山、しかも初心者向きコース。ベビーカーをガラガラ押しながら登る家族や、

街中でデートをしていてそのまま迷い込んだ様な格好(ヒール?スカート?)のカップルなど、

そんな人達と一緒と思うと、思っていた以上に登山の感覚が薄くなり、気分はハイキング。

ケーブルカーの駅を通過し、さる園、浄心門、薬王院の順に、順調に舗装1号路を歩き、階段を上るとようやく山道らしい未舗装の道に。

木の根がボコボコと這い出て、非常に歩きづらい道でもあるが、土を踏む事で登山をしている感覚がちょっとは増したので、

変にテンションが上がりつつ前進前進。と思ったら、そこはもう高尾山の山頂。

カメラ片手に1人黙々と登って来るとあっという間な感覚ではあったものの、しっかり2時間近く時間を費やしていた。

で、いざ山頂に立ってみても何をするでもなく、弁当を広げるでも無く、ビールで盛り上がる訳でも無く、三角点と景色をちょい見。

それだけだと高尾山歩破に対して少々物足りないと感じ、売店で売っている巨大かき氷をシャクシャクと頬張ることにした。

かき氷だけで既に存在感があり、更に暑さで氷は魅力的に映り、

そんなものを1人で早食いしている様がどうも一目を惹いた様で、山頂の満足度はほぼピーク。

下山は4号路を使い吊り橋を渡りつつ、1号路に合流する道を選択。

あれだけ人で溢れていた1号路とは全く違い、すれ違う人が数人いる程度、道も完全なるふかふか未舗装山道で、

これぞ正しく登山!と勢いづいたものの、手元に地図がある訳でも無く、前後に人も居なく、

随所に立てかけられた道しるべだけが頼りになってしまい、やや不安な下山になってしまった。

しかも、1号路ではあれだけ初心者に優しい山というイメージを持っていたにも関わらず、4号路は悪路と思われそうな道も多く、

更には非常に狭い崖沿いの道があったりと、山頂で登頂記念祝杯なんてあげてたら、

確実に数十m崖下に滑落するなと、1人要らぬ恐怖を感じていた。

そんな冒険心をくすぐられる様な4号路から舗装路の1号路に合流し、「登山は上りより下りが大変」を直に肌で感じ、

足首とつま先が変な形に刺激を受けながら、無事に完全下山。

結局、「いろは」の「い」を自分なりに解釈すると、「ビールは帰ってから」になるのか?

あとは最低限地図は持って、靴はトレッキング用を用意するってところか。