2010/07/20

2010夏18きっぷの旅 大井川鉄道編

夏の18きっぷの季節だ!

今冬の18きっぷは発売未定ということで、もしかしたら当分の間列車旅が出来ない可能性もあるので

今回は9/10までの期間目一杯、可能な限り旅に出るぞ。

そんな18きっぷ利用初日、日帰りで静岡・金谷に向かう。

目指すは湖に浮かび、赤いレインボーブリッッジに挟まれた駅、大井川鉄道の奥大井湖上駅。

朝一の東京駅からムーンライトながらでも使用される車両、373系電車でフカフカの座席に座る事3時間半、

乗り換え無しで一気に静岡駅。

この後、焼津駅で途中下車し、レンタサイクルで焼津港まで出て新鮮な海鮮丼でも食べようかとも思ったが

腹の具合を見て急遽キャンセル。そのまま金谷駅まで向かうことにした。

金谷駅から千頭駅、更には井川駅まで走る大井川鉄道は全国でも珍しく、平日も含めほぼ毎日SLが運行されている。

そんなSLにも乗りたくて、事前にネットで予約済み。

予定の時刻よりも早く金谷駅に到着した為窓口で乗車SLの変更。

そして奥大井湖上駅までの往復料金5,560円を支払う。うぅ結構高い。

改札が始まり、狭いホームに入ると茶色くて渋い電気機関車がゆっくりと入線。この電気機関車が既に年代ものな感じ。

その電気機関車に引っ張られてやって来たのがSLのC11 190。




電気機関車いぶき500形。これだけでも渋い。




昨年新潟駅から新津駅まで乗車した「SLばんえつ物語」では客車は全てリニューアルされ、

外装内装含め比較的現代風な造りになっていたが、大井川鉄道のC11は全く違う。

製造された当時のままなのか、ドア・窓は完全手動。床はもちろん木だし、空調は扇風機のみ。

洗面所にある壁のタイル張りなども時代を感じる。どちらかと言うとSL汽車よりも客車の方に興味津々。

昨日までの連休中は連日満席状態だったらしいが、今日は平日。乗客の数はパラパラ程度。

金谷駅で購入した駅弁を食べながら茶畑風景を眺めていると、車窓から先日の大雨で水量の増えた大井川が見えて来る。

この大井川沿いを付かず離れず走り、南アルプスの手前の山奥へ入って行くため、トンネルの数も結構多い。

車内の空調設備は頭上の扇風機のみなので、必然的に窓は全開で気持ちいい風を目一杯受けて走るが、

トンネル内に入ると煙の煤が少なからず車内に入って来る。

昔と比べると煙の少ない無煙炭を使っているらしいが、腕にはポツポツと黒いものが。顔も拭くと真っ黒だった。

車内ではアテンダント?さんの車窓案内やハーモニカ演奏などもあり、旅の楽しさを盛り上げてくれる。



リベット打ちの車体もまたイイ!



創られた世界ではなく、昔の世界がここに。







水量が多く川の水が白い。




所狭しと茶畑が広がる。



有名な吊り橋を通過中。




約1時間半で終着駅の千頭駅に到着。千頭駅から井川駅までは非常に小さな車両で走る井川線。

乗り換えまで1時間近くあるので駅前をちょっと散策。

山奥にあるとは言え、今日の日差しは異常な程強く、クーラーが効いた施設も無いので暑くてたまらない。

日当にいては体力を奪われ、最悪熱中症で倒れる危険性もあるので、大井川を眺めたら駅に戻りひっそりと待機。

列車は既に駅で待機しているようなので早めに乗車。

下車時には何度も頭をぶつける程の高さと、路線バスより狭いであろう横幅の車内。非常に小さくて暑い車内だった。

発車時刻になると非常に遅い速度で出発。車両ギリギリの大きさのトンネルや橋梁も多く通るが、

とにかくカーブがキツいようで常に車輪が軋む音が鳴り響く。





小ささが分かってもらえる?



確実に利用客が居なそうな秘境駅の数々に停車しながら更に山奥に進み、アプトいちしろ駅へと到着。

この駅から次の長島ダム駅まで、90パーミルと言う猛烈に急勾配な坂を上るため、

全国唯一の「アプト式」、歯車のようなラックレールを利用する。

去年、信越本線横川駅近くにある碓氷峠鉄道文化むらで見たアレ。

専用の電気機関車を連結し、後ろから押して貰いながら上って行き、次の駅で連結を外す仕組み。

アプトいちしろ駅での停車数分、連結作業も終わりいよいよ90パーミルの勾配へ。

しかし、周りが拓けているせいか、そんなに急勾配な雰囲気があまりしない。

どちらかと言うと狭い山道を上って行く箱根登山鉄道の80パーミルの方が急な気もする?

それでも上って来た道を振り返ると確かに急勾配。途中では水を勢いよく放水する長島ダムが眺められる。




腰高なアプト式電車ED90形。




このマーク非常にカワイイ。



この道をアプト式で上がって来た。



長島ダム駅で電気機関車と別れると、次はひらんだ駅、そして今回の目的地「奥大井湖上駅」に到着する。

湖に架かる赤い橋、その名もレインボーブリッジを渡り、島のようになった中央にあるのがこの駅。

この駅で下車したのは子供連れの家族と初老の夫婦、そして自分の3グループ。

誰も降りないだろうと思っていたので結構意外。

駅は千頭方面と井川方面両方にある橋に挟まれ、駅裏は山になりレイクコテージ奥大井と言う休憩所があるだけ。

橋は歩道も兼ねていて線路の横を歩く事が出来る。

早速橋の歩道から橋の端まで歩く。ここから急な階段を上って山道を歩き、県道まで出て、

隣の接岨狭温泉駅まで行くのがハイキングコースとなっている。

このハイキングコースの途中に今回目指す、奥大井湖上駅撮影のベストボジションがあるはず。




中部の駅100選のも選ばれた奥大井湖上駅。




緑の中へ向かって行く。



トンネルの上からの景色はこんな感じ。


そんな訳で溢れ出る汗を拭きながら、そそり立つ壁のような階段を上る。

階段をしばらく上ると鬱蒼とした山道に入る。が、ここで難敵に道を阻まれる。大量のクモの巣に。

本日一発目の通行者だったのか、とにかくクモの巣の量が半端無い。体中に巻き付くし、カメラにも。

手にボッコを装備していれば徐々にでも前進は出来たのかもしれないが、

とにかくこの日の気温の高さに思考回路はショート寸前、いや完全にショートしてしまってフラフラと駅に戻る。

駅に戻って来ても日陰の場所は少なく、売店などは無いので水分の補給も一切不可。

これはもう軽い熱中症にかかったような感じ?

駅に到着して既に1時間ちょっと経っているが、上り列車が来るまでまだ20分もある。

もうレスキューを待っているような心境。早く来てくれ!と心の中で叫びながら

ジリジリとカラダを焼く日差しを全身に浴び、喉も干からびカラカラ。



ライトを照らしながらやって来た上り列車に勢いよく乗り込んだ後はもうバタリ。

カメラを構える事もほとんどせず、千頭駅では急行券を購入し、再度SLに乗って帰路に着くことにした。

湖に浮かび、レインボーブリッジに挟まれる駅の風景を山上から全景を撮影すると言う目的、今回は達成せず!






空が赤い!


歩いた距離:9.9km 食べたおいしいもの:特になし

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