2011/01/10

2011冬18きっぷの旅 新潟・会津編

18きっぷで旅をする際、数ヶ月前から綿密に現地を調べ上げ、脳内で旅が出来る程計画を立てる。

列車の時刻はもちろんのこと、船の時間、バスの時間と店の営業時間。不安な際は電話で確認。

もはや計画する事の楽しみ半分、それを実行する楽しみ半分とまでなりそうな旅の楽しみ方。

それだけ見知らぬ土地や食べ物に飢えている訳で、金銭的余裕があれば、全国周りながら仕事したいという夢もどこかにあったりする。

そんな用意周到なリサーチの鬼、今回は初体験、全くの未計画で旅に出ることとなった。

今回、旅に出る予定は全く無かったのだが、18きっぷ1回(日)分を友人から譲り受けたこともあり、

これを無駄にする訳にはいかず、日帰りで回れる範囲と考え、何度か足を運んで土地勘はある新潟&会津方面を選択することにした。

但し東京始発で動いていては時間的に余裕が無いので、前夜移動のムーンライトえちごに乗車して一路新潟を目指す。

新宿発のムーンライトえちごを高崎線の高崎駅でお出迎え。

1本前の高崎線新前橋行に乗車すると北鴻巣で日付が変更となり、新宿から乗り通すより1,000円近くお得。

そんな訳で、高崎線改札で18きっぷに5つ目の印を押して貰い、入線してきたムーンライトえちごに乗車。

ほぼ乗車率100%の列車は消灯せず、上越線から北へ北へと向かう。

窓ガラスが曇って外の景色は見えづらいが、越後湯沢駅辺りでは完全に雪景色になっていた模様。

4:51、終着の新潟駅に到着。もちろん吐く息は白く、雪がちらつく。




このまま更に北上するには数分後に発車する白新線に乗り換え、日本海側の列車を乗り継いで行けば、

当日中に函館に着く事も可能らしいが、今回は磐越西線で会津方面。

ただ、未計画旅。

せっかちに先を急がず、せっかくなのでもう少し新潟に滞在してみようと、駅前に出てみる。

しかしこんな時間から空いている店は24時間営業のロイホと松屋くらい。なんとも寂しい。

そこまで空腹では無かったので、店に入る事はせず、

そのまま駅前を北上しながら、日本海の姿でも見て朝日でも浴びようかと思い立ち、徒歩で移動を開始。

携帯の地図片手に移動を開始したものの、約3km程ありそうな距離を、顔を刺激する強風が吹き荒れる北国を歩ける程元気も無く、

結局萬代橋を過ぎた辺りで折返し、開店したてのマックで暖をとる事となった。

そのまま作戦会議と、食べログで近辺の店を調べたり、時刻表を確認してみるも、結局この時間帯&限られた移動手段では

無駄に時間を浪費しそうな気がしたので、少し先に進もうと、信越本線で新津駅まで進むことにした。





新津駅前は新潟市内よりも雪深く、木々はまるで白い花を付けた様な装い。

早朝でまだだれも踏んでいない雪の上を、一人はしゃぎながら足跡を付ける。

列車が入って来てはホームに下りて撮影、そして寒さを凌ぐ為に改札横の待合室に避難、更に外で雪遊びと

普段の計画遂行旅ではあり得ない程の時間の持て余しっぷりも、またこれはこれで楽しめる。

新津駅から快速の磐越西線会津若松行に乗車。時間は8時半頃。

ムーンライトで取れなかった睡眠もここで補いつつ、約2時間、ラーメンと蔵の街喜多方で途中下車。

先日の会津地方ドカ雪の影響からか、新潟よりも更に積雪の量が多く、車道は消雪パイプの影響で問題無いが、

歩道は場所によって膝上まで積もっている。




そんな喜多方で途中下車した理由はもちろんラーメンと、新潟で下調べした日帰り温泉施設「蔵の湯」に寄る事。

蔵の湯は道の駅内に併設された施設で、喜多方市内では唯一の日帰り温泉。

それでも駅からは直線距離9km程あるので、駅からはバスを利用する。

とりあえず「バスがある」と言う情報しか掴んでいなかったので、駅内の観光案内所でバスの時間を確認。

すると驚愕の事実を告げられた。冬場は休日運休と。

観光案内所のおばちゃんも非常に申し訳無さそうに、道の駅方面に行きそうな人に電話で声をかけてもらったりと、

行く手段を色々と考えてもらったが、結局タクシーと言う選択肢しか無くなり、喜多方での温泉は断念。

結局喜多方での予定がラーメン一本となってしまったが、未計画旅なんだからそう言うこともあっての旅。

気落ちせず気持ちを切り替え、深い深い歩道の雪をかき分けながら、過去何度も訪れている喜多方ラーメンの「坂内」さんへ。

自家用車で来る事が多かったこともあり、冬場のしかもこんな大雪の日に来店するのは初めてかも。




この店のスタイルは、店内に入りすぐに注文。そして自分で水を汲み、席に着席するタイプ。

しかし外は極寒。店内は暖房&厨房熱。メガネが一瞬にして曇り視界ゼロ。

そんな真っ白メガネを外すと、今度は頭上に掲げられたメニューが見えないが、うろ覚えで「ネギチャーシュー!」と注文。

メガネが曇ったら、カメラのレンズも曇る訳で、そんな事にアワアワしていたら注文したラーメンが到着。

丼一杯に広げられたチャーシューに、ピリッとした辛味がある白髪ネギ、そして透明度の高い澄んだスープに太縮れ麺。

昔ながらの喜多方醤油ラーメンも嫌いじゃないけど、結局この味が一番好きかもしれないし、

冷えきった体に温かいスープが染み渡り、更に美味しさが増した様な気がした。

美味しさに幸せを感じながら店の外に出ると、先程までの大雪が嘘の様な晴れ間。

雪が降ったり止んだり晴れたりと非常に忙しない天気が続く中、近所にあるという事で、

大判焼き(会津地方では「きんつば」)のお店「田原屋菓子店」に立ち寄り。

風格ある古民家と庭のお店で、1人しっとりと庭を眺め、雪解けの水が屋根に落ちる音を聞きながらきんつば1つ頂く。

このまま観光案内所のおばちゃんがお勧めした、無料で楽しめる酒蔵にでも行こうかと思ったが、この足下の状況と

そこまで日本酒好きな人ではないので、そのまま街のあちこちにある蔵を横目に駅へと戻ることにした。







喜多方駅から次に向かうは会津若松駅。

会津若松と言えば白虎隊。しかしその白虎隊記念館には既に過去訪れているし、駅から離れている。

駅近くで何か無いものか?と人の流れに合わせて歩いていると、屋台の群れが。そしてその先には人人人。

どうやら「十日市」と言う初市の様で、もの凄い人出。更に永遠と続く屋台の数。

そんな屋台の中では「風車」と言う飾り物と「起き上がり小法師」と言う小さな人形が数多く売られていて、

年初めにこれらを買い揃えるのが会津の風習の様だった。

そんな地方の風習を垣間見ながら、露天を端から端まで見渡してみたり、会津若松駅の隣「七日町駅」(なぬかまち)内で

美味しい珈琲などを頂きつつ、強風と雪の影響で列車に遅れが出るかもしれないと直感的に思ったので、少し早めに駅へと戻る。





嫌な直感は見事に的中。郡山方面からの列車が遅れ、折返しの上り列車発車時刻も未定とのこと。

高速バスへの乗り換えを促すアナウンスが響く中、まだ時間的にも多少余裕もあった為、

慌てる事も無く駅構内で土産物屋を物色したり、駅隣のスーパーを覗いてみたりと、運転再開の時間を待つ。

結局1時間遅れで列車は到着し、車内で長い事待たされはしたものの、何とか無事に発車。

吹き荒れる暴風雪で窓からの視界はゼロになりながらも、終着郡山駅に到着。

予定ではこの後、夕食に宇都宮で餃子でもと思っていたが、さすがに営業時間内に寄る事は難しそうなのでパス。

ムーンライトえちごは使ったものの、日帰り旅には丁度良い距離と、未計画ならではの緩さで楽しい1日だった。

ちなみに今回の旅で得た教訓。「雪国へスニーカーで行ってはダメ」。

雪で濡れた靴で、足下から込み上げて来るの冷えが非常に辛かったから。

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