2011/09/11

とにかくずんずん歩く。

「山に登る」と言えばケーブルカーもしくはロープウェイを使って上る、もしくは車で上がる、というイメージしか全く無かった。

それは自分の足で歩いて登るには体力が無く、その体力疲労は駅の階段上り下りで何となく分かっていたから。

体が大きいので「力」そのものは人一倍あり、そんな大きな体を支えながら動く体力もそこそこある。

しかしそれを持続させる持久力が無い。昔から。

そんな訳で歩き登山は、非常に敬遠されがちな部類に属していたものの、ここ最近のウォーキング(深夜行軍とも言う)の影響からか、

その成果を測る上でも、登山に非常に興味を抱き始める様になって来た。

登山と言ってパッと思い浮かべるのは、やはりミシュランでも星を獲得する程大人気な「高尾山」と「富士山」。

余りにも両極端ではあり、さすがににわか登山者がいきなり無装備で富士登山が可能な程、

富士山は甘っちょろい訳も無く、今回選択したのは高尾山。

若干「登山」のイメージより「ハイキング」「デート」のイメージが強いものの、初登山にしては駅近で交通の便も良く、

多くのお仲間もいて、登山に対する格好や心構えも含め「いろは」の「い」が分かるんじゃないかと踏んでいた。

新宿から京王線で高尾山口駅へ。370円。

駅を降りるとデンっと大きな案内図。高尾山山頂までのコースが記載されていて、

それぞれ1〜6号路、それに稲荷山コースの計7コースあり、ケーブルカーorリフトを使わず下から登って行くには、

1号路と6号路、稲荷山の3コースがあるらしい事が判明。

その中でも初心者向きというのが1号路とのことなので、導かれる様に、早速巨大案内図に書かれていた、1号路登山道入口へと向かう。

舗装された道は普段歩き慣れた道と同じ感覚で登れ、意気揚々と木々が生い茂る涼しい空間を堪能していたものの、

徐々に勾配が厳しくなり、普段の生活ではお目にかかれない様な、そそり立つ壁の如くな感じの上り坂に変貌。

みるみる汗が溢れ、腕から滴り落ちる様になって来た。

それでも高尾山、しかも初心者向きコース。ベビーカーをガラガラ押しながら登る家族や、

街中でデートをしていてそのまま迷い込んだ様な格好(ヒール?スカート?)のカップルなど、

そんな人達と一緒と思うと、思っていた以上に登山の感覚が薄くなり、気分はハイキング。

ケーブルカーの駅を通過し、さる園、浄心門、薬王院の順に、順調に舗装1号路を歩き、階段を上るとようやく山道らしい未舗装の道に。

木の根がボコボコと這い出て、非常に歩きづらい道でもあるが、土を踏む事で登山をしている感覚がちょっとは増したので、

変にテンションが上がりつつ前進前進。と思ったら、そこはもう高尾山の山頂。

カメラ片手に1人黙々と登って来るとあっという間な感覚ではあったものの、しっかり2時間近く時間を費やしていた。

で、いざ山頂に立ってみても何をするでもなく、弁当を広げるでも無く、ビールで盛り上がる訳でも無く、三角点と景色をちょい見。

それだけだと高尾山歩破に対して少々物足りないと感じ、売店で売っている巨大かき氷をシャクシャクと頬張ることにした。

かき氷だけで既に存在感があり、更に暑さで氷は魅力的に映り、

そんなものを1人で早食いしている様がどうも一目を惹いた様で、山頂の満足度はほぼピーク。

下山は4号路を使い吊り橋を渡りつつ、1号路に合流する道を選択。

あれだけ人で溢れていた1号路とは全く違い、すれ違う人が数人いる程度、道も完全なるふかふか未舗装山道で、

これぞ正しく登山!と勢いづいたものの、手元に地図がある訳でも無く、前後に人も居なく、

随所に立てかけられた道しるべだけが頼りになってしまい、やや不安な下山になってしまった。

しかも、1号路ではあれだけ初心者に優しい山というイメージを持っていたにも関わらず、4号路は悪路と思われそうな道も多く、

更には非常に狭い崖沿いの道があったりと、山頂で登頂記念祝杯なんてあげてたら、

確実に数十m崖下に滑落するなと、1人要らぬ恐怖を感じていた。

そんな冒険心をくすぐられる様な4号路から舗装路の1号路に合流し、「登山は上りより下りが大変」を直に肌で感じ、

足首とつま先が変な形に刺激を受けながら、無事に完全下山。

結局、「いろは」の「い」を自分なりに解釈すると、「ビールは帰ってから」になるのか?

あとは最低限地図は持って、靴はトレッキング用を用意するってところか。






















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