暗闇の津軽半島を北上。本日の宿をどこにするか車で彷徨い、約40km程走った真っ暗な休憩所で休むことにした。
しかし、車はヴィッツ。大きい体には窮屈この上なく、寝たり起きたりの繰り返し。
結局明方4時頃には完全に目が覚め、更に北上を始めた。
この日青森の日の出時刻は4時半頃。
その時刻に合わせ、蟹田駅付近にあるフェリー乗り場で朝日が出るのを待ちわびてみることにしたが、
車から降りてみると外の気温に驚愕。海風があるにしても寒さが半端無い。風邪引きそう。
そんな気温の中、徐々に暗がりに光が射して行く様は圧巻。太陽からの光で体も温かくなる心地よさ。
暫しその光景に見とれ、オレンジ色の光を浴びていた。
蟹田駅からは津軽線に沿って内陸側を走り、立地が珍しい駅に到着。
「道の駅いまべつ」に隣接した津軽線の駅「津軽二股駅」。そして階段を隔てて隣接した海峡線の「津軽今別駅」。
更に将来北海道新幹線が整備された際には「奥津軽駅」が出来る場所。
そんな駅だらけの所で早朝の山の空気を吸い、長い貨物列車を見送りながら流し撮り。
左側が道の駅。
階段を上った先が海峡線の津軽今別駅。
駅を離れ次に向かうは津軽線の終着駅でもある「三厩(みんまや)駅」。
ここからは津軽線始発6:21発蟹田駅行の列車に乗り、単に蟹田駅まで往復する。未乗車路線だから。
ちなみに、こんな津軽半島の奥まで駅スタンプを押しに来る人も少ないようで、駅スタンプはクモの巣まみれ。
ディーゼルエンジンの音と揺れを耳に、ボックス席に足を投げ出し片道約40分のお休みタイム。
再度三厩駅に戻って来た時には太陽も高く、夏の日差し、暑さになっていた。
龍の角みたいな風車の羽。
レンタカーの返却は11時、この後渡る北海道・函館へ向かう特急白鳥の時刻は12時近くなので
青森市内へ向かう前に縄文集落跡で有名な「三内丸山遺跡」に寄ってみることにした。
青森市街からは高速のIC寄りにある三内丸山遺跡は駐車場、入場共に無料とお財布に優しい施設。
団体さんを率いている解説員の話を小耳に挟んだ情報だと、野球場を建設する際に偶然出土し、
今の様な復元された公園を作ることになったとの事。まだまだ発掘調査中らしい。
施設は屋内の展示施設と屋外の復元された住居などがあり、敷地も結構広大。
三内丸山遺跡のシンボル的な存在の高床建物を見上げ、縄文人は何を見ていたのだろう?と疑問を残してみたり、
復元された竪穴式住居内に入っても良いけど、責任は持てませんという解説員の説明に耳を傾けたりと
異世界な景色をボーッと眺めるのには最適な公園という感じの遺跡。ただ夏は日差し避けが必要。
そんな三内丸山遺跡の施設入口には青森ご当地グルメの露店が臨時出店中で、
食べたいが足を運ぶには時間が無くて諦めていた、黒石市の「つゆ焼きそば」に、
昨日永遠と歩き続けゲットした、むつ市の「大湊海軍コロッケ」など、なんと言うありがたい偶然。
もちろん、つゆ焼きそばと大湊コロッケの丸ごとニンニク、ホタテをご注文。
つゆ焼きそばとは、肉と野菜を入れた普通の焼きそばに温かい麺つゆを注ぎ、揚げ玉とネギを乗せたもの。
味としてもやはり焼きそばの味もするし、そばの味もするしで、これぞB級的な感じ。
非常にお腹も満たされたので、青森市内へ戻ってレンタカーも返却。
観光物産館アスパム裏では、昨日夜若干見損ねたねぶたがズラッと展示され、
夏休み中の宿題の為か多くの子供達がねぶたの前に陣取り絵を描いている。
夜のオレンジ色にライトアップされたねぶたもいいが、昼間見るカラフルで迫力ある姿もまた勇ましい。
この後は今回の旅のクライマックス、青函トンネル内「竜飛海底駅見学」。
青森駅から特急白鳥で今日の朝往復した津軽線を眺めながら、貨物列車を見送った津軽今別駅でJR北海道へと入り、
暫くすると青函トンネル内へと入って行く。
青函トンネル内の竜飛海底駅見学は、事前に見学券を購入する必要があり、乗り降りするドアも2号車だけと決まっている。
竜飛海底駅に停車した白鳥、2号車のドアでは車掌が非常用ドアコックを操作し、見学者のみが降りて行く。
トンネルの中の竜飛海底駅はホームが人1人歩ける程度の幅しかない為、下車したらそのまま非常用の通路へと移動。
今回この見学に参加しているのは、親子連れやおじさまおばさまのグループ、1人旅行者など自分を含めて合計で11名。
そこにJR北海道の引率1名が付き、竜飛海底駅見学がスタートする。
まずは大きな荷物を鍵付きの棚に預け、トンネル内横に整備された誘導路を足早に歩く。
途中、頭上を通る太いパイプの説明や、鍾乳石の話などしながら、TDRもしくはUSJ風な地下扉を潜る。
風圧などの関係か扉は2重で、一旦小部屋に全員が移動してから次の扉を開く仕組み。もう気分はアトラクション。
扉の先には実際工事に使用された工具や機械、ちょっと不気味な作業員の人形が展示。
この後、地上へ出る為のケーブルカー「青函トンネル竜飛斜坑線」の時間が迫っているのか、
じっくりと説明を見ながら見学とは行かず、団体行動を乱さないよう足早に移動することになり、撮った写真はどれもブレ気味。
オレンジ色のケーブルカーに乗り込み、かなりの傾斜を上って行く事数分。着いた先は竜飛崎近くにある「青函トンネル記念館」。
緑色のライトアップはどうだろうか?
ここで竜飛海底駅見学は一旦終わりで、ここからはおよそ2時間半近くの自由行動。
しかし我々海底駅見学チームは引き続き竜飛崎見学の引率をJR北海道の担当者にお願いし、そのまま全員で竜飛崎見学へと流れた。
この竜飛崎までの道のりがまた大変で、今まで湿度は高いものの、気温が低いトンネル内にいた為か、突然の炎天下で体力を奪われ
アップダウンの激しい山道を登らされた結果、女性2名が途中でギブアップ。
アジサイが咲き乱れる竜飛崎、まずは「津軽海峡冬景色歌謡碑」。石川さゆりの代表曲「津軽海峡冬景色」の碑が大きく鎮座し
中央の赤いボタンを押すと「上野発の夜行列車〜♩」と歌が流れる仕組み。
来た人次々にボタンを押すので、歌が鳴り止む事は余り無かった。
その奥に見えるのが国内唯一の「階段国道」。国道339号の一部区間で、もちろん車は通れず徒歩のみ許される国道。
階段国道脇からは竜飛崎灯台へと上がる階段もあり、その反対側には龍見橋という橋と小さな公園が整備されていたが、
この公園?からの景色が非常に感動的&圧巻で、九州・阿蘇山を思わせるような青々とした緑に囲まれた山々が青い海に突き出し
そこに1本の道が走るという、絵になる風景がどこまでも広がる。
竜飛崎から北側、北海道を望む景色も良いが、こちら南側を向くこの景色も是非一度実際に見て実感してもらいたい。
そんな竜飛海底駅見学は、ほぼ竜飛崎見学と化し、いつまでも太陽に焼かれながら遠くの景色に目をやっていた。
アジサイの他トンボの数も凄い。
漁船の船団はどんな漁をしているのだろうか。
竜飛崎の全景はこんな感じ。
下の階段に転がり落ちそう。
集合時刻が近くなり、再度青函トンネル記念館に戻った後はケーブルカーで地下深くへと潜り、誘導路を戻る。
北海道・函館へと向かう特急白鳥に乗車する為の非常用通路へ戻って来た際には、何故かチームの団結力も上がり
「誰かが遅れてる!」「皆揃いました!」てなやり取りも行われるまでに。
青函トンネルに入った特急の音が大きくなり徐々に近づく。
若干オーバーラン気味に停車したものの無事に全員乗り込み、あとは終点の函館へと向かうだけ。
17時半。JR北海道、函館駅に到着。
陸路だけで北海道入りしたのは今回で2回目。
新鮮な魚介、ラーメン、ハセガワストアの焼き鳥弁当、ラッキーピエロのバーガーなど、美味しいものが揃う函館ではあるものの
函館空港へ向かうシャトルバスの時間もすぐだった為、函館駅前を見ただけで今回の北海道は終了。
旅の思い出にと、函館空港ではサッポロクラシックビールで一息つき、今回の旅はここまで。
深夜急行のムーンライトにも徐々に慣れ、長距離旅がし易くはなったものの、初日で800km近い移動はちょっとやり過ぎた。
それでも夏の北東北、特に青森は朝晩の涼しさを含め、見所・食べ物共に魅力たっぷりなのでオススメ。
歩いた距離:17.3km 食べたおいしいもの:つゆ焼きそば
0 件のコメント:
コメントを投稿