今日は朝から蔵王へ向かう。
昼食の予定も立てていないので、ホテルの朝食バイキングを付けてみたが、
ここで昨日食べ損ねた芋煮、それと玉こんにゃくを食べることができた。
ロープウェイの運行開始時刻に合わせ、7:40山形駅発の山交バスに乗車。
大型観光バスタイプのバスはほぼ満席。見た所ほとんどの乗客がスキー客で、自分の様にカメラ片手の軽装客はいない。
山形駅から約40分程で蔵王温泉バスターミナルに到着。
実は以前、2009年の春にも蔵王温泉に訪れており、時期も4月、時間も夕方という事で、日帰り温泉に寄っただけだった。
そして今回、念願の樹氷に挑む。
蔵王温泉バスターミナルからは雪道をゆっくり歩き15分程で、蔵王ロープウェイ山麓線の乗り場に到着。
ちなみに前回の会津旅で、「雪道Notスニーカー」という教訓を得ていたが、今回の為に新たに靴を新調する事はせず、
防水スプレー散布という方法で対処。その効果かどうか分からないが、今回は中まで濡れる被害には合わなかった。
そしてロープウェイ乗り場、ここでも乗客の99%はゴーグル、ブーツ完全装備のスキー客で、コート姿の自分が非常に浮いている存在。
しかもそんなスキー客の大半は40代50代と年配の人。これには驚き。
そんな年配の方からは「樹氷撮影ですか?」と何度か声を掛けられながら、
長い列に並び、ギュウギュウ詰めのロープウェイで樹氷高原へ。
樹氷高原からは山頂線に乗り換えて地蔵山頂を目指す。ちなみに樹氷高原の天気は曇り。
樹氷まで行かないものの、木々は雪を被り始めて来ていて、期待もどんどん高まる。
地蔵山頂に到着し、ロープウェイを降りると何故か目の前がホワイトアウト。
猛烈な風が吹き込み、粉雪が舞い、先程の樹氷高原とは全く違う凍てつく様な寒さが襲って来た。
地蔵山頂では無料の長靴がレンタル出来ると聞いていたので、係員に場所を聞き、LLサイズの長靴姿にチェンジ。
コート&マフラー、そして首にカメラをかけた長靴軽装備の格好でいざ外へ。
もちろん先程のロープウェイ乗り場の強風が外では吹き荒れ、完全に猛吹雪状態。
肌が露出している顔、そして手。しかし一番酷い冷たさなのは耳。
雪が舞い上がって視界は10mも無く、半分パニック状態に陥る程の天候で、方向感覚さえ見失う。
とりあえず誰かしらスキー客に付いて行けば遭難だけはしないだろうと、20m程歩くと「樹氷原コーススタート」の看板が視界に。
完全に地理が把握出来ないので、どこからがスキーコースで、どこに樹氷が広がるのさえ分からない。
更に唯一の屋内であるロープウェイ乗り場が視界から消えてしまっている不安が徐々に高まり、
寒さに耐えながら地を這う様に来た道を戻る。
一旦屋内に退散し現在地の地図を確認。
しかしあるのは山全体の大まかな地図しかない為、結局どの方角辺りに樹氷が広がり、
どの辺りまで行くのがベストなのかが分からずじまい。この天気では何も役には立たぬが。
次から次へとやってくるスキー客の中には、この吹雪で引き返す客もいるが、子供を引き連れて滑りに行く強者も。
滑ると言っても、ほんの数m先すら見えない状態では遭難しに行っているだけのような気もするが、
慣れた人は特に動じないのかもしれない。帰りのロープウェイで聞いた所、これでも見えている方だそうなので。
そして再度挑戦した樹氷撮影。
寒さでカメラの挙動もおかしくなりながら、何とか近場で見える範囲内で成功した。
と言っても、撮りたかったのは山の傾斜一面に広がる樹氷群だったので、思っていた構図とは全く違うものの
「スノーモンスター」と呼ばれる形自体は確認出来たので、「樹氷見た」ってことで良しとしよう。
その後、1時間近くカフェテリアでホット珈琲を飲みながら、天候の回復を待ってみるも、
全く好転する気配がなかったので、そのままロープウェイで帰還することにした。
体が非常に冷えきり、体調を崩しかねない感じだったので、そのまま前回も利用した日帰り温泉施設「新左衛門の湯」に立ち寄る。
強烈な硫黄臭と強酸性の湯が特徴の蔵王温泉。雪を裸足で踏みしめ、雪が降りしきる露天風呂は最高だった。
蔵王温泉バスターミナルからバスに乗り込み山形駅へ。
山形からはそのまま奥羽本線を南下する路線もあるが、山形新幹線と併用になっているため、普通列車の本数が極端に少ない。
結局来た道をそのまま引き返す形で、山形からは仙山線で仙台へと向かう。
「牛肉どまんなか」で有名な新きねやさんの新作弁当を食べながら。
その後は東北本線を乗り継ぎ乗り継ぎ徐々に南下。最後に宇都宮で餃子を補給した。
結局樹氷は思っていた景色で見る事は出来なかったが、蔵王の山頂は基本あの様な天気で、晴れ間が広がる方が珍しいらしい。
とりあえずまた新たな経験、「猛吹雪侮るな」。これが今回は一番身にしみた旅だった。
それでも冬場はやはり、寒い北国に向かうことを是非オススメしたい。
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