2011/08/12

熊谷・秩父へ自転車で帰省 2日目

実家に帰って翌日、2日目。

朝9時。自宅から乗って来た自転車に再度またがり、西へ進んでいた。

お盆の時期と言っても会社ごとに休みの取り方も区々であり、本日は自分以外家族全員仕事。

実家を離れ早5年半。自分の部屋は当たり前の様に既に無く、更にPCもネットも無い環境で1日過ごすのは投獄に近い仕打ちなので、

手近な観光地長瀞・秩父を目指すことにした。

車であればバイパスを脇目も振らず走り抜ける所を、自転車では田園風景が広がる旧道をのんびり走る。

学校の行事でしか乗った事の無い秩父鉄道を踏切で見送ったり、農作業中のおじいさんを遠目に見たりと道草を食いながら

寄居を過ぎ、眼前に広がる長瀞の山道に差し掛かる。

波久礼駅前から荒川に架かる橋を渡り県道へ。

天気も良く、強い日差しの中「日本一周自転車少年」の様な風貌で、初本格的な山道走行。

と言っても急激な上り下りを1本通過すれば、あとはほぼなだらかな道で、そこまで構える必要も無かった。

木々の合間合間から遠くに見える、長瀞名物「岩畳」を横目に、自宅を出て1時間半程で秩父鉄道長瀞駅に到着。






道の両脇には土産物屋が立ち並び、割り箸に刺さったきゅうり一本漬け、かき氷など、

この時期によくよく見る、「THE地方観光地の土産物屋」そのもので、この景色を見ると「あ、旅に出てる」感を堪能出来る。

そのまま土産物屋通りを抜けると、そこは名物ライン下りの発着場になっていて、炎天下にも関わらず長蛇の列が出来ていた。

1人でこの列に並ぶのは忍びないというか、「ファイトー」「イッパーツ」的な急流を

カヌーで下るラフティングの方に興味があるので、今回も長瀞ライン下りはパス。

列車の時刻を確認すべく改めて長瀞駅に戻ると、十数分後にSLパレオエクスプレスが到着するらしく駅は大混雑。

グッドタイミングではあるものの、駅舎外からの眺望がそこまで良くは無かったので、自転車走らせ隣の上長瀞駅へ移動。

向こうから黒煙を吐きつつ、ゆっくりと入線してくるSLを子供達が追いかける光景を微笑ましく思いながら

実家で毎日?毎週?遠くに聞こえていた汽笛の音を発する主を、今更になって始めて間近で見た事に気が付く。

SLの勇姿を見届け、そのまま上長瀞駅近くにある超有名店「阿左美冷蔵」へと向かう。

以前車でやって来た時は時期外れだったからか、特に行列などもなく、店内(といっても庭の一角だが)で美味しく頂いた記憶があるが

流石「秩父」=「かき氷」的な存在の店。この時期は人で溢れていた。

交通整理のおじさん曰く、「店内で食べるなら2時間待ち」との事。

山奥といっても全国最高気温を何度かマークしている熊谷に近い秩父。日も高くなりジリジリと暑さが増している中で

炎天下日なた2時間待ちとか、体力&精神力どちらにしても正直無理。

かき氷食べ放題、かき氷代を払えばビュッフェ形式のお料理が追加。

更にはかき氷を食べれば2時間並んだ事を忘れるくらい優雅そして贅沢な時間を堪能出来る。ってことであれば、

悩む要素にはなるのかもしれないが、庭先でかき氷1個食べるのに2時間はちょっと無いなーと。

そんな感じで項垂れていると、テイクアウトはすぐですの声。

見ると、行列は店内用とテイクアウト用の2列出来ていて、確かにテイクアウト用の列な長いにしても流れている。

たかがかき氷にこんなに並ぶの?熱中症で倒れたらバカらしい!と、散々嫌味を吐き出し、

女子中学生のお子様も含めた他人様家族3人の空気をことごとく悪くするお父さんを後ろに迎え、並ぶ事約20分。

山盛りになった白いかき氷を手に入れ、自分でシロップをかける。かける。かけ放題。

かき氷って、氷(水)の美味さも大事だが、それ以上にシロップの美味さも大事な訳で、ここ阿左美冷蔵はこのシロップも美味い。

そんなシロップがかけ放題って事は、店内で食べるより数段魅力的で、並ぶ時間も少ないで、満足この上なし。






三たび長瀞駅へと戻り、ここから列車移動。

実はこの秩父鉄道、自転車をそのまま電車内へ持って行ける「サイクルトレイン」を実施している。

しかも必要なのは乗車券のみで自転車はタダ。

ただ、いくつか制限もあり、周知も余りされていないからか、輪行バッグに自転車詰めて運んでいる人は数人いたものの、

自分の様に直接車内に持ち込むのは他に誰も居なかった。

(ちなみにここのページを見ると利用区間や利用時間が分かり易い)

長瀞駅から自転車と共に普通列車に揺られ、秩父の更に先、武州中川駅で下車。

目指すは重力式コンクリートダムとしては全国2番目に大きい「浦山ダム」。

ダムマニアでは無いが、その迫力と景観、ダム工事の壮大さを考えると、その魅力に多少惹かれる事も。

その昔よく足を運んだ群馬県みなかみ町にある「奈良俣ダム」は、石を敷き詰めたロックフィルダムで、見応え十分だったので

今回の浦山ダムも、大きさではかなりの物らしいのでどんな感じだろうと、わざわざ武州中川まで足を運んでみた。

田舎道を抜け、山深い奥に見えて来たダムの堰堤。

いざ目の前にしてみると、想像していたより大きさに対する迫力をそこまで感じなかったものの、

2番目に大きいということであればそれは確かに大きいのかもしれない。

それよりも気になったのが、ダム横に付けられた階段。

このジグザグに上っている階段がダムにへばり付く姿の方が興味をそそられるものの、実際に上ろうとは思わなかった。

ちなみにこのダム。堰堤の上までエレベーターで自由に行き来出来るらしいが、節電の影響でエレベーターは停止中。

だからか、観光客は自分を含め2人だけだった。









時刻は既に夕方。

腹が減ったので、事前に食べログでリサーチしていた、わらじソースカツ丼で有名らしい「安田屋」という店へ。

入店を躊躇う様な古さ漂う店構えではあったものの、食べログ点数を信じていざ店内へ。

店内はこれまた無愛想な主人?と、敬語で会話するので関係がいまいち把握出来ないおばちゃんの2人だけで、客は不在。

せっくだからと、ボリューミーな2枚乗せを注文。

カツのみで言ったら、確かに味は悪く無く、このボリュームの相乗効果でB級感たっぷりは嫌いじゃない。

が、ご飯が水分少なめなのかパサパサって美味しく無く、みそ汁は煮詰まってしょっぱい。

その部分も、お昼の時間帯を外しているからしょうがないと思っても、そもそも店内が食事をする環境になってない。

カウンターに並ぶ、ほこりを被ったフィギュアや食玩。散らばる郵便物に薬に、とにかく飲食店では必要の無い生活感が丸出し。

これにはちょっと幻滅しながら、なんとか一通り完食。さすがにカツ2枚は胃に来た。




道の駅ちちぶを経由し、帰りは国道140号をそのまま走行。

長瀞駅を過ぎた辺りからはとにかく車道が狭く、トラックも頻繁に通ることもあり心休まる事が無い。

とにかく緩やかな下りを目一杯走り抜ける事だけを考え、秩父の山を抜けたらそのままバイパス方面へ。

そして今度はたい肥の臭い地獄。永遠とその臭いが付きまとい、鼻の機能が低下するんじゃないかって程だった。

結局、実家から近いという理由で選んだ長瀞秩父ではあったものの、走行距離は昨日の江東区・熊谷間を越え、100kmになっていた。

どうりで足腰痛い訳だ。

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