2011/08/27

京浜工業地帯と地下と島。

大井町の「夏休みフェア」を離脱し、向かうは南。

「南」とアバウトではあるものの、自転車で行ける範囲なんて限られていて、しかも既に昼間の時間をかなり消費してしまったので

明るい時間帯に訪れる事が可能な場所、それが今回の「京浜工業地帯」。

と言っても、今流行?の「工場萌え」でもなく、明確には工業地帯が目的地でも無く、その先の島に用がある。

埋め立て地として造成されている川崎の工業地帯には、いくつか人口の島が存在する。

何故そんな島に興味を持ったのか。それは「メガソーラー施設」が出来たから。

次世代エネルギーのウンタラカンタラと今先端をいく技術と話題性があるものの、とにかくソーラーパネルがズラッとしかも大量に、

一面に、ギラギラと敷き詰められた様を見たーいと、そんな横しまな気持ちだけで、こんな工業地帯へとわざわざやって来た。




それはそれは異様な光景というか、何が流れているのか、距離を稼ごうとしているのか、くねりにくねった配管が

歩道の頭上に勢いよく迫って来ている光景がまずは面白い。

そこはもう工場の敷地外では?とも思えるものの、各々の煙突から排出される煙、巨大なタンク群以上に、

そんな辺りを取り巻く配管群に興味津々になりながら、とにかく工場地帯最奥へと向かう。

にしても、臭い。とにかく臭い。臭いというよりか、気が滅入る、吐き気を催す程。

薬品系の臭いなんだろうけど、風の向きが悪いのか、将又自分の鼻が敏感過ぎるのか、気分を害しそうになりつつ、

この現場で働いている人達の心中お察し申し上げたい。というか慣れなのか?





目の前に「川崎港海底トンネル」の文字。

そう、メガソーラーついでにというか、それ以上に興味をそそられたものがこちらの海底トンネル。

車道部はもちろん自転車走行不可だが、隣に人道トンネルがあり、そちらを歩行者自転車は通行が可能。

「人道トンネル」と名が付くと、関門海峡トンネルを思い出すものの、あちらは行った時期に丁度工事で通行止めだったのでまだ未体験。

そんな訳で海底人道トンネル初体験で、いざ地下へ。

公園の裏手側にひっそりと佇む、地下の駐輪場へ誘われる風な階段。壁の落書きがいかんともしがたい雰囲気を出し、

床一面に広がるセミの屍骸が何かと行く手を遮り、本当に下りていいのか?と若干躊躇する。

霊的な怖さは、まぁまぁ好きにはなれないが、隧道や廃道、廃墟等はその形状の「美」が多少なりともあるので、

暗過ぎなければOKという感覚がある。

ご多分に漏れず、こちらのトンネルは煌々と電気が点され明るい。

ただ、一定間隔で流れる「自転車は下りて通行して下さい」のアナウンスが響き渡る空間はちょっと異質。

島と島を繋ぐ海底トンネルだけあって、距離も長く、そして1度下ってそれから上る形状になっていて、

勾配もそれなりにあるので、下った先の状況が全く掴めなかったが、その先に響く子供の声とその人数に若干落胆した。

ボーイスカウト集団が大挙して通行中だった。

異質な空間と、そんな空間で身震いするぼっちを体験したい所に、楽しげにはしゃぐ子供の群れ。

「はいはいごめんなさいねー」と中央突破を敢行し、海底人道トンネル旅を半ば強引に切り上げ、階段を駆け上がった。




本来の目的「メガソーラー」は、さて?

と、辺りを見回しても、あるのは大型倉庫群と公園。

若干、「勢い」と「川崎」「島」という中途半端な記憶だけで来てしまった事で、目的地が見当たらない。

「かわさきエコ暮らし未来館」という施設から、メガソーラーを見渡す事が出来るという事だったが、

その施設の閉館時間も迫ってそうな気もし、結局またあの海底トンネルへと吸い込まれ、薬品の臭い漂う工業地帯へと戻ってしまった。

帰宅後、改めてメガソーラーの事を調べてみると、今回降り立った「東扇島」ではなく、隣の「浮島」が正解だった。

なんと言う残念なオチ。


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